
おもちゃで観る子どもの発達(その1)
「子どもの発達を理解する」というと、専門的で難しい印象を受けるかも知れませんが、
学術的な書物を頼るだけでは、かえって目の前のお子さま一人ひとりの発達を
「観る」ことはできません。では、どのように発達を「観る」のでしょうか。
手がかりのひとつは「子どもが身の回りのものと、どんな出会い方をするか」を
観察することです。たとえば、積み木の場合。
①積み木をつかむ
②下にある積み木のところまで動かす
③下にある積み木という「的」の上に正確に載せる
④落ちないように上手に手を放す
この動作がすべてできれば、積み木を「積む」ことができます。
それぞれの動作は一度にできるようになるのではなく、「つかむ」ひとつとっても、
手のひら全体で「わしづかみ」するところから、親指を他の指と独立させ、
挟む形で「つかむ」ことができるようにならないと、
なかなか上手に「積む」ことはできません。
おそらくロボット工学では動作を細かく分析し、複雑な工程を組み上げることで
ロボットの腕が出来上がるのだと思います。そう考えると人間ってすごいですね。
(続きます)